京都の夏を彩る祇園祭は、7月の1か月間にわたって行われる日本三大祭りのひとつです。多くの方が前祭(さきまつり)の山鉾巡行に注目しがちですが、7月24日に行われる後祭(あとまつり)こそ、通好みの魅力が詰まっています。2022年に196年ぶりに復活した鷹山をはじめ、後祭でしか見られない山鉾が11基揃い、前祭より落ち着いた雰囲気で祭りの情緒を味わえます。
- 後祭の日程と宵山・山鉾巡行のスケジュール
- 前祭との違いと後祭ならではの見どころ
- 混雑を避けて楽しむ穴場観覧スポット
- アクセス方法と帰りの混雑回避ルート
- 持ち物チェックリストと暑さ対策
祇園祭後祭2026の日程・タイムスケジュール
2026年の祇園祭後祭は、以下のスケジュールで進行します。
| 行事 | 日程 | 時間 |
|---|---|---|
| 後祭 宵山 | 7月21日(火)〜23日(木) | 夕方〜22時頃 |
| 山鉾巡行(後祭) | 7月24日(金) | 9:30 烏丸御池出発 |
| 花傘巡行 | 7月24日(金) | 10:00 出発 |
| 還幸祭 | 7月24日(金) | 17時頃〜深夜 |
前祭の山鉾巡行が7月17日なのに対し、後祭は1週間後の7月24日です。宵山期間も前祭より短く21日から23日の3日間です。前祭の宵山では四条通や烏丸通が歩行者天国になり約200万人が押し寄せますが、後祭の宵山は歩行者天国や露店の出店がないため、比較的ゆったりと山鉾を鑑賞できます。
当日のモデルスケジュールとしては、8時30分頃に烏丸御池駅到着、9時30分に巡行開始を御池通沿いで観覧、11時頃に新町御池で殿(しんがり)の大船鉾の辻回しを鑑賞、12時頃に周辺で昼食、というのが無理のない流れです。午前中で巡行が終わるため、午後は京都市内の観光に充てられます。
後祭でしか見られない山鉾と見どころ
後祭には11基の山鉾が巡行に参加します。前祭の23基と比べると数は少ないものの、個性的な山鉾が揃っているのが特徴です。
鷹山(たかやま)——196年ぶりの復活
2022年に196年ぶりに復活した鷹山は、後祭最大の注目スポットです。応仁の乱以前から存在したとされる歴史を持ち、鷹を手にした鷹匠の御神体人形が見事です。天保期の大火で焼失してから長らく休み山でしたが、地元の保存会が約20年かけて復活させました。巡行時には祇園囃子も奏でられ、復活後も毎年注目度が上がり続けています。
大船鉾(おおふねほこ)——巡行の殿
2014年に150年ぶりに復活した大船鉾は、巡行の殿(しんがり)を務めます。全長約7メートルの船体に黄金の龍頭が輝く姿は圧巻です。2016年には大金幣が追加され、豪華さがさらに増しました。船形の鉾は京都の山鉾の中でも珍しく、辻回しの際に船が回る様子は独特の迫力があります。
辻回しの迫力——交差点で12トンが回転
山鉾巡行最大の見どころは、重さ約12トンもの鉾が交差点で90度方向転換する「辻回し」です。車輪の下に青竹を敷き、水をかけて滑らせながら約30人の曳き手が人力でスライドさせます。竹が割れる音と、曳き手の掛け声が交差点に響き渡り、テレビの映像では伝わりにくい臨場感を味わえます。河原町御池と四条河原町の2か所で辻回しが行われるため、移動すれば複数回見ることも可能です。
現地に行くと、鉾の高さ(約25メートル)に圧倒されます。見上げるとビルの8階に相当する高さで、屋根の上で囃子方が演奏を続ける姿は職人技そのものです。
穴場スポットと有料観覧席の比較
後祭の山鉾巡行は烏丸御池を出発し、御池通を東へ、河原町通を南へ、四条通を西へ進みます。前祭の逆ルートです。混雑を避けて楽しめるスポットを紹介します。
新町御池交差点
巡行終盤の辻回し地点にあたるこのスポットは、午後になると観覧客が減り、最前列を確保しやすくなります。15時頃でも前方で観られたという声があります。大船鉾の辻回しをじっくり堪能できる貴重なポイントです。
京都市役所前付近
御池通沿いの市役所前は道幅が広く、花傘巡行と山鉾巡行の両方を見られます。周辺にはコンビニやカフェもあり、暑い中でも休憩しながら観覧できるのが利点です。
御池通 堺町〜柳馬場間
有料観覧席が設置される河原町御池寄りに人が集中するため、この区間は比較的空いています。9時過ぎに到着すれば、立ち見でも十分に山鉾を楽しめます。
宵山は新町通がおすすめ
後祭の宵山では、新町通沿いに北観音山・南観音山・大船鉾などが並びます。前祭のような歩行者天国はありませんが、その分落ち着いた雰囲気で提灯に照らされた山鉾を間近に鑑賞できます。祇園囃子の音色が路地裏に響く風情は、後祭ならではの体験です。
有料観覧席と無料エリアの違い
| 項目 | 有料観覧席 | 無料エリア |
|---|---|---|
| 価格 | 約4,100円(2025年実績) | 無料 |
| 場所 | 御池通(河原町御池〜新町御池) | 巡行ルート沿道各所 |
| メリット | 座席確保・パンフレット付き | 自由に移動可能 |
| おすすめの人 | 確実に座って見たい方・子連れ | 複数の辻回しポイントを巡りたい方 |
有料観覧席は例年6月上旬から京都市観光協会のウェブサイトで販売されます。後祭は前祭ほど争奪戦が激しくないため、発売日当日でも購入できる場合があります。2026年の詳細は公式サイトをご確認ください。
アクセス・トイレ・周辺グルメ情報
電車でのアクセス
山鉾巡行のスタート地点・烏丸御池には、京都市営地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池駅」が最寄りです。京都駅からは烏丸線で約5分(運賃260円)、阪急電車なら「烏丸駅」から徒歩約10分で御池通に到着します。大阪方面からは阪急京都河原町駅(約45分・特急400円)が便利です。
トイレ・コインロッカーの位置
御池通沿いには京都市役所の一般開放トイレがあります。烏丸御池駅構内にもトイレがありますが、混雑時は行列になりやすいため、事前に駅周辺のコンビニ(ファミリーマート烏丸御池店など)を利用するのがスムーズです。コインロッカーは烏丸御池駅・京都市役所前駅の改札外に設置されており、中型(400円)・大型(600円)があります。荷物が多い場合は駅ロッカーに預けてから観覧に向かいましょう。
帰りの混雑回避ルート
巡行終了後は四条烏丸周辺に人が集中します。次の方法で混雑を軽減できます。
- 二条駅を利用する — 御池通を西へ徒歩約15分。JR二条駅・地下鉄二条駅とも利用可能で、京都駅方面や嵯峨野線方面に分散できます
- 巡行終了直後は30分待つ — 12時前後の終了直後がピーク。近くのカフェで30分ほど過ごすと、駅の混雑がかなり緩和されます
- バスは避ける — 四条通・烏丸通のバスは大幅に遅延します。地下鉄か徒歩が確実です
駐車場について
山鉾巡行当日は四条通・御池通周辺で大規模な交通規制が実施されます。車での来場は非推奨です。どうしても必要な場合は、京都駅周辺のコインパーキング(1日最大1,200〜1,800円程度)に駐車し、地下鉄で移動するのが現実的です。
周辺グルメ・屋台情報
後祭の宵山には前祭のような大規模な露店出店はありませんが、各山鉾町の会所でちまき(厄除けのお守り・1本1,000円程度)やオリジナルグッズが販売されます。食事は周辺の飲食店がおすすめです。烏丸御池〜四条烏丸エリアには、京都らしいにしんそば(約900円〜)や冷やし抹茶甘味(約600円〜)を楽しめる老舗が点在しています。巡行観覧前に錦市場(四条烏丸から徒歩約8分)で食べ歩きをするのも良い選択です。
持ち物チェックリストと暑さ対策

7月下旬の京都は気温35度を超えることも珍しくありません。万全の暑さ対策を整えてお出かけください。
携帯扇風機
首掛けタイプの携帯扇風機があると、両手が自由になり写真撮影にも便利です。充電式で風量3段階のモデルが2,000〜3,000円程度で購入できます。USB充電で約8時間持続するタイプなら、朝から夕方まで使えます。
冷感タオル
水で濡らして絞るだけで冷たくなる冷感タオルは、炎天下の観覧には欠かせないアイテムです。首に巻いておくと体温の上昇を抑えられます。1枚500〜1,000円程度で、速乾性のある素材なら繰り返し使えます。
折りたたみ日傘
御池通は日陰が少ないため、晴雨兼用の折りたたみ日傘を持参すると安心です。UVカット率99%以上・重量200g以下のコンパクトなタイプが持ち運びに便利です。巡行観覧時は周囲の視界を妨げないよう配慮してください。
大容量モバイルバッテリー
スマートフォンの地図アプリや写真撮影でバッテリーを消耗しがちです。容量10,000mAh以上のモバイルバッテリーを1つ持っておけば、iPhoneなら約2.5回分のフル充電が可能です。重量200g前後のスリムタイプなら負担になりません。
飲み物・塩分タブレット
凍らせたペットボトルの飲料と塩分タブレットを持参してください。後祭の宵山は露店がないため、事前にコンビニで購入しておくのがポイントです。水分は1人あたり最低500ml x 2本を目安に用意しましょう。
写真撮影のベストポジションと雨天時の対応
山鉾巡行の写真を撮るなら、以下のポイントが適しています。
| 撮影ポイント | おすすめ理由 | 到着目安 |
|---|---|---|
| 河原町御池交差点 | 辻回しの全景を正面から撮影可能 | 8:00までに確保 |
| 四条河原町交差点 | 鉾が通りを曲がる瞬間を捉えやすい | 9:00までに確保 |
| 新町通(宵山) | 提灯に照らされた山鉾の風情ある夜景 | 18:00頃〜 |
望遠レンズ(200mm程度)があると、辻回しで曳き手の表情まで捉えられます。スマートフォンで撮影する場合は、光学ズーム3倍以上の機種が有利です。宵山の夜間撮影では三脚が便利ですが、通行の妨げにならない場所で使用してください。
雨天時の判断
山鉾巡行は小雨でも決行されます。ただし懸装品(織物や刺繍の装飾)を守るためにビニールシートで覆われることがあり、装飾美を楽しみにしている場合はやや残念な面もあります。過去には台風直撃でルートが短縮された例(2014年の台風11号時)がありますが、中止になったケースは近年ほとんどありません。
最新の開催情報は祇園祭山鉾連合会公式サイト(gionmatsuri.or.jp)や京都市観光協会の公式X(旧Twitter)で確認できます。雨天の場合はレインコートの着用を推奨します。傘は周囲の視界を遮るため、沿道での使用は控えめにしてください。
よくある質問

Q. 後祭と前祭の違いは何ですか?
前祭は7月17日に23基の山鉾が四条烏丸を出発して河原町通・御池通へ進みます。後祭は7月24日に11基が巡行し、ルートは前祭の逆(烏丸御池から河原町通を経て四条通へ)です。後祭は歩行者天国がなく、前祭より落ち着いた雰囲気で楽しめます。
Q. 後祭の宵山に屋台は出ますか?
後祭の宵山期間(7月21日〜23日)には前祭のような大規模な露店出店はありません。各山鉾町の会所でちまき(厄除けのお守り)やグッズの販売が行われます。食事は事前に周辺の飲食店やコンビニで済ませておくのがおすすめです。
Q. 有料観覧席のチケットはどこで買えますか?
京都市観光協会の公式ウェブサイトで購入できます。例年6月上旬に販売が開始され、後祭は前祭ほど早く売り切れない傾向があります。2026年の詳細は公式サイトをご確認ください。
Q. 子連れで後祭を楽しめますか?
後祭は前祭より混雑が少ないため、お子さん連れには比較的向いています。宵山の新町通は道幅が狭いためベビーカーは折りたたんでの移動が推奨されます。巡行観覧なら御池通沿いの有料観覧席を確保すると、座ってゆっくり過ごせます。
Q. 最寄り駅はどこですか?
巡行の出発地点に近い「烏丸御池駅」(地下鉄烏丸線・東西線)が最寄りです。宵山の山鉾見学なら「四条駅」(地下鉄烏丸線)や「烏丸駅」(阪急京都線)も利用できます。
Q. どのくらい前に到着すれば良い場所が取れますか?
無料エリアで前方の場所を確保するなら、巡行開始の1時間前(8:30頃)までに到着するのが目安です。河原町御池の辻回しポイントは人気が高いため、8:00前の到着を推奨します。
Q. 浴衣で行っても大丈夫ですか?
宵山・巡行ともに浴衣姿の方は多く、祭りの雰囲気に馴染みます。ただし長時間の立ち見になるため、履き慣れた下駄や草履を選び、替えの靴を持参すると足への負担を軽減できます。
Q. 京都駅周辺のおすすめ宿泊エリアはどこですか?
祇園祭期間中は京都市内のホテルが混雑します。後祭を狙うなら四条烏丸〜烏丸御池エリアのビジネスホテル(1泊8,000〜15,000円程度)が便利です。早めの予約が安心で、7月上旬までに押さえておくと選択肢が広がります。大阪に宿泊して阪急電車で通うのも現実的な選択肢です(片道約45分・400円)。
後祭の魅力を存分に味わうために

祇園祭後祭は、前祭の華やかさとは異なる趣があります。196年ぶりに復活した鷹山や、船形の大船鉾など、後祭でしか出会えない山鉾の数々。歩行者天国がない分、祇園囃子の音色に耳を傾けながら、提灯に照らされた山鉾をじっくり鑑賞できるのも後祭の醍醐味です。7月21日からの宵山で雰囲気を楽しみ、24日の巡行で辻回しの迫力を体感してみてください。暑さ対策と水分補給を万全にして、京都の夏の風物詩を満喫しましょう。前祭の情報は祇園祭2026宵山の楽しみ方と穴場も参考になります。

