10月に入ると、スーパーの店先にもオレンジ色のかぼちゃが並び始めます。子どもに「どうしてハロウィンはかぼちゃなの?」と聞かれて、うまく答えられなかった経験がある方も多いのではないでしょうか。
実は、ジャック・オー・ランタンの材料はもともとかぼちゃではなくカブでした。アイルランドの民話と、19世紀のアメリカ移民の暮らしが重なって、今のオレンジ色のランタンが生まれたと言われています。2026年のハロウィンは10月31日(土)。週末に重なる今年は、家族でかぼちゃを飾る時間も取りやすいはずです。
この記事でわかること
- ハロウィンにかぼちゃを飾るようになった由来と「ジャック」の伝説
- カブからかぼちゃへ変わった歴史的な理由
- 日本のハロウィンとかぼちゃの歩み(1983年・1997年の転機)
- 世界記録1,278.8kgなど、話のネタになるかぼちゃトリビア
- 家族でランタンを作るときの持ち物・失敗しないコツ・写真映えの撮り方
なぜハロウィンにかぼちゃ?もとはカブだったランタンの由来
ハロウィンの源流は、古代ケルト人が10月31日に行っていたサウィン(Samhain)という祭りだと考えられています。ケルトの暦では11月1日が新年で、その前夜は夏の終わりと冬の始まりの境目。この夜はあの世とこの世の境界が薄くなり、祖先の霊と一緒に悪い霊もやってくると信じられていました。
人々は火を焚いて霊を追い払い、仮面をかぶって悪霊の仲間のふりをしたと伝えられています。仮装の習慣も、ここにルーツがあるとされています。
「けちんぼジャック」の伝説
ランタンの名前のもとになったのは、アイルランドに伝わるジャックという男の民話です。ずる賢いジャックは悪魔をだまして「死んでも魂を取らない」と約束させました。ところが亡くなると、生前の行いが悪すぎて天国には入れません。悪魔との約束があるので地獄にも入れず、あの世とこの世の間をさまよい続けることになります。
暗い道を歩くジャックを哀れに思った悪魔が、地獄の火から石炭の種火を一つ渡しました。ジャックはそれをくりぬいたカブに入れて灯りにした、というのが話の筋です。「ジャックのランタン(Jack of the Lantern)」が、のちにジャック・オー・ランタンと呼ばれるようになりました。
移民の国アメリカでかぼちゃに変わった理由
19世紀、アイルランドやスコットランドから多くの人々がアメリカへ渡りました。ところが新天地ではランタン向きのカブが手に入りにくく、代わりに秋の畑にごろごろ実っていたかぼちゃが使われるようになったと言われています。
かぼちゃは中が柔らかくてくりぬきやすく、カブより大きいので顔の表情もはっきり出せます。こうして「オレンジ色のかぼちゃランタン」がアメリカ全土に広まり、20世紀にはハロウィンの代名詞になりました。ちなみに、スコットランドなどでは今もカブでランタンを作る家庭が残っているそうです。
| 時代・地域 | ランタンの材料 | 背景 |
|---|---|---|
| 古代〜中世のアイルランド・スコットランド | カブ(ルタバガ)・ジャガイモ | サウィン祭で悪霊よけの灯りとして使用 |
| 19世紀のアメリカ | かぼちゃ | 移民がカブの代わりに身近なかぼちゃを利用 |
| 20世紀以降の世界 | かぼちゃ(観賞用の大型品種) | 商業イベントとともに世界へ普及 |
日本のハロウィンとかぼちゃの歩み
日本でハロウィンが知られるようになったのは、実はそれほど古い話ではありません。大きな転機は2回あったと言われています。
- 1970年代:原宿の老舗おもちゃ店キディランドがハロウィングッズの取り扱いを開始
- 1983年:キディランド原宿店の前、表参道で一般参加型のハロウィンパレードが行われ、日本の大規模ハロウィンイベントの先駆けに
- 1997年:東京ディズニーランドでハロウィンイベントが始まり、同じ年に川崎でもパレードがスタート
1997年以降、テーマパークや商業施設が10月を「ハロウィン月間」として装飾するようになり、オレンジ色のかぼちゃが秋の街の景色として定着していきました。
国産かぼちゃの約半分は北海道産
農林水産省の統計(2023年産)では、全国のかぼちゃ収穫量は約15万9,900トン。そのうち北海道が約7万6,300トン(47.7%)を占め、2位以下を大きく引き離しています。とはいえ、日本で食べられているのはほとんどが緑色の皮の「西洋かぼちゃ」。ランタン用のオレンジ色の大型かぼちゃは、観賞用として別に栽培されています。
香川・小豆島の「どでカボチャ大会」は2026年で40回目
かぼちゃの重さで全国一を競う香川県小豆島の大会は、2026年9月14日に40回目を迎えました。全国11の道府県から39人が参加し、千葉県の生産者が育てた454.5kgのかぼちゃが優勝しています。前年2025年の優勝は494.2kgで、年によって記録が大きく変わるのも見どころの一つです。こうした巨大かぼちゃは「アトランティックジャイアント」という品種が主流で、北海道佐呂間町のかぼちゃコンテストのように、顔を描いてライトアップする地域イベントもあります。
話したくなるハロウィンかぼちゃトリビア5選
家族の会話やパーティーで使える、かぼちゃにまつわる豆知識を集めました。
1. 世界一重いかぼちゃは1,278.8kg
2025年10月、イギリスの双子の兄弟が育てた「Muggle(マグル)」と名付けられたかぼちゃが、2,819ポンド4オンス(約1,278.8kg)でギネス世界記録に認定されました。それまでの記録を約32kg上回り、イギリスに初めて世界一の称号をもたらしています。周囲は6.4m以上。軽自動車1台分を超える重さです。
2. ランタン用かぼちゃは「食べてもあまりおいしくない」
ランタン用のオレンジ色の品種は、くりぬきやすいように果肉が薄く、水分が多いのが特徴です。日本の西洋かぼちゃのようなホクホク感や甘みは少ないため、海外でもランタン用と料理用は別品種として扱われることが多いと言われています。
3. 日本の「冬至かぼちゃ」とは別の文化
日本には冬至にかぼちゃを食べて無病息災を願う風習があります。ハロウィンのかぼちゃは「悪霊よけの灯り」、冬至のかぼちゃは「栄養をとって冬を越す食べ物」。同じかぼちゃでも、10月と12月で意味がまったく違うのは面白いところです。
4. かぼちゃは植物学的には「果実」
かぼちゃはウリ科カボチャ属で、花が咲いたあとにできる実を食べるため、植物学上は果実に分類されます。巨大かぼちゃの大会では、受粉の時期や水やりの量まで細かく管理するそうです。
5. ジャックの顔は「怖い」より「おどけた」表情が定番に
もとは悪霊を追い払うための灯りなので、昔のランタンはかなり怖い顔だったと考えられています。現在は三角の目とギザギザの口というおどけた表情が定番になり、子どもが怖がらないデザインも増えました。
家族で作るジャック・オー・ランタンの持ち物と失敗しないコツ

由来を知ったら、実際に作ってみると子どもの記憶にも残ります。観賞用のオレンジかぼちゃは、10月中旬から園芸店やホームセンター、農産物直売所で1個800円〜3,000円ほどで並ぶことが多いです。直売所は週末の午前中が狙い目で、人気サイズは昼前に売り切れることもあります。
そろえておきたい持ち物・道具
- 大きめのスプーン(種とワタをかき出す。アイスクリームディッシャーも便利)
- カービング用ナイフ(子ども用ののこぎり型キットだと安全)
- 油性ペン(顔の下書き用)
- 新聞紙・ビニールシート(ワタと水分でテーブルが汚れるのを防ぐ)
- LEDキャンドル(火を使わないので子どもがいても安心)
よくある失敗と注意点
- 上から開けて口を広げすぎる:フタの切り口は斜め45度に入れると、フタが中に落ちません
- 中身を薄くしすぎる:壁の厚さは2〜3cm残すと形が崩れにくくなります
- 早く作りすぎる:くりぬいたかぼちゃは室温で3〜5日ほどでしおれ始めるため、10月31日(土)に飾るなら26日以降の制作が目安です
- 本物のロウソクを使う:内側が焦げて傷みが早まるうえ、火災の心配もあります。LEDライトの使用が無難です
くりぬいたワタと種は、ワタをスープに、種は洗って乾かしてからローストするとおやつにもなるのがうれしいところです。ただしランタン用品種は水っぽいので、料理には食用の西洋かぼちゃを別に用意すると失敗が少ないでしょう。
お祭り・花火大会で持っていくと便利なアイテム
場所取りや待ち時間に役立つ定番アイテムを2つご紹介します。レジャーシートも折りたたみ椅子も種類が多くて選びにくいものですが、ここでは数ある製品の中から比較して「これは間違いない」と感じるものを掲載しています。雑誌や新聞にも掲載されているようですね。
1. コンパクトな防水レジャーシート
場所取りで草地や石畳に長時間座っていても下から湿気が来ないので、夜の花火大会や朝のお祭り待機で活躍します。折りたたむと小さくバッグに収まり、広げると大判で厚みもあり防水。軽くて持ち運びがラクなのも便利なポイントです。
2. 軽量な折りたたみ椅子
お祭りや花火大会の開始までの待ち時間は、座れる場所がないと体力的にしんどいもの。折りたたむとリュックに収まるサイズで軽量、座り心地もしっかりしているので、開演まで2〜3時間でも快適に待てます。一度使うと手放せないと評判のアイテムです。
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子連れでも楽しめる飾り方と写真映えの撮影のコツ
完成したランタンは、飾る場所と時間帯で印象が大きく変わります。
- 玄関先:日没後の17時半〜18時半ごろ、空がまだ少し青い「マジックアワー」に撮ると、ランタンの灯りと背景の両方がきれいに写ります
- 窓辺:室内側から撮ると外の暗さが背景になり、ランタンが浮かび上がるような一枚になります
- 子どもと一緒に:ランタンを子どもの顔の高さに置き、スマホのナイトモードで撮るとブレにくくなります
小さな子どもがいる家庭では、くりぬかずにシールやペンで顔を描くだけのかぼちゃも人気です。2〜3歳でも参加でき、カットしないぶん2〜3週間ほど長持ちします。
外のイベントへ行く予定があるなら、テーマパークの人気ハロウィンイベントは週末の夕方が最も混みます。混雑を避けたいファミリーは、地元の農園や公園の「かぼちゃ畑」「パンプキンパッチ」が穴場です。地方の観光農園では、かぼちゃの持ち帰りや名物のかぼちゃスイーツを楽しめるところもあり、無料の駐車場がある施設なら帰りの渋滞も比較的少なめです。
雨の日にも困らないハロウィン週の時間帯別スケジュール例

2026年は10月31日が土曜日。前の週末から準備すると、慌てずに当日を迎えられます。
| 日程 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 10月24日(土)・25日(日) | かぼちゃ・道具の購入 | 直売所は午前中が品ぞろえ豊富 |
| 10月27日(火)〜29日(木) | 顔のデザインを家族で決める | 紙に下書きして子どもに選んでもらう |
| 10月30日(金)夜 | カービング | 新聞紙を広げて30〜60分ほど |
| 10月31日(土)17時〜 | 点灯・写真撮影 | 日没直後の時間帯がおすすめ |
雨天の場合は、ランタンを玄関の内側や窓辺に移しましょう。かぼちゃは濡れると傷みが早く、カビの原因にもなります。屋外イベントへ出かける予定の日に雨が降ったら、公式サイトやSNSで中止・順延の告知を出発前に確認し、家の中でかぼちゃパーティーに切り替えるのも一つの方法です。
ハロウィン全体の日程や仮装アイデア、お菓子の準備については、ハロウィン2026完全ガイドにまとめています。
ハロウィンかぼちゃに関するよくある質問

Q. ジャック・オー・ランタンはいつから飾ればいいですか?
A. 飾りつけ自体は10月上旬から始める家庭が多いです。ただしくりぬいたかぼちゃは数日でしおれるため、カービングするのは10月26日以降、くりぬかない飾りなら10月初めから飾っても問題ありません。
Q. ハロウィンが終わったかぼちゃはどうすればいいですか?
A. くりぬいたランタンは食用に向かないため、自治体の分別ルールに従って生ごみとして処分するのが一般的です。くりぬいていない観賞用は、乾燥した場所なら11月以降も飾っておけます。
Q. 日本の緑のかぼちゃでもランタンは作れますか?
A. 作れます。ただし皮がとても硬いので、子どもが彫るのは難しく、大人がカットを担当するのがおすすめです。小さめのかぼちゃなら、顔を描くだけでも十分かわいく仕上がります。
Q. カブで作るランタンも試せますか?
A. 大きめのカブなら、由来どおりの「元祖ランタン」作りにも挑戦できるでしょう。中がかたいので、スプーンよりも小さなナイフで少しずつくりぬくと作業しやすくなります。
Q. ジャック・オー・ランタンの顔に決まりはありますか?
A. 決まりはありません。三角の目とギザギザの口が定番ですが、笑顔やウインク、子どもの似顔絵など自由にアレンジできます。
Q. かぼちゃランタンの火は危なくないですか?
A. 本物のロウソクは転倒や焦げの心配があるため、LEDキャンドルの使用が安心です。特に小さな子どもやペットがいる家庭では、火を使わない灯りを選びましょう。
由来を知って、今年のかぼちゃを家族の思い出に
カブから始まり、移民の国アメリカでかぼちゃに変わり、日本では1997年ごろから秋の風物詩になったジャック・オー・ランタン。由来を知ってから作ると、子どもとの会話もぐっと広がります。
2026年の10月31日は土曜日。まずは今度の週末に直売所やホームセンターをのぞいて、家族で「どんな顔にしようか」と相談するところから始めてみませんか。



